コラム

年功序列崩壊?

2022/04/18 COLUMN

年功序列とは、年齢や勤続年数に応じて、役職・賃金を上昇させる人事制度のこと。

戦後の高度経済成長期に働く人の安定雇用や生活を支えてきた日本の制度です。

しかし近年、経済環境の変化やIT化、労働力人口の減少などを受け、年功序列を廃止し、成果主義を取り入れる企業も増えてきています。

年功序列のメリットは

・会社への帰属意識が高まり、定着率の向上が期待できる

・社員の育成人事評価がしやすい

・システムが確立しやすくなる

一方、デメリットは

・社員が目的意識を持ちにくく、生産性を向上させにくい

・社員の高年齢化、社員数の増加に伴い、人件費が高騰する

・労働意欲や目的意識の高い若手社員が離職しやすくなる

ということが挙げられます。

実際の導入割合の推移として、

公益財団法人 日本生産性本部が発表した

『第16回 日本的雇用・人事の変容に関する調査』によると、

年齢・勤続給(年功序列)の割合は1999年の78.2%から年々低下し、2018年には47.1%になっています。

一方で、役割・職務給(成果主義)を導入する企業は増加傾向にあり、2018年には57.8にまで増えています。

この割合の推移から、年功序列制度が自社の人事制度として適していないと判断し、

成果報酬などへ切り替えている企業が多い傾向が読み取れるでしょう。

平成・令和の時代の若者は、一つの会社で長く勤務し続けるというより、

価値観やライフスタイルに合わせて転職し、ステップアップを目指す傾向にあるようです。
このような若者が増えてくるとすれば、今後『成果主義』は益々加速していくのではないでしょうか。